製品に関するよくあるご質問
電子カムとは
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質問
ジェイテクトエレクトロニクス製サーボには、電子カムという機能がありますが、どのようなものですか。
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回答
マスター軸の動きに合わせて、スレーブ軸の動作を行わせる機能です。
通常のサーボシステムでは、マスター軸/スレーブ軸それぞれにモーションコントローラを用意します。
それに比べ、ジェイテクトエレクトロニクス製サーボシステムでは、マスター軸の回転信号をスレーブ軸用サーボドライバに接続し制御するため、スレーブ軸用のモーションコントローラが必要ありません。
スレーブ軸用サーボドライバの設定については、下記手順をご覧ください。
大まかな手順
1.マスター軸からの信号を設定する。
2.クラッチ噛み合いタイミングをを設定する。
3.マスター軸のギヤ比を設定する。
4.電子カム曲線(マスターとスレーブ)の位置関係を設定する。
5.スレーブ軸のギヤ比を設定する。
6.PRモードでの動作設定をする。
2.クラッチ噛み合いタイミングをを設定する。
3.マスター軸のギヤ比を設定する。
4.電子カム曲線(マスターとスレーブ)の位置関係を設定する。
5.スレーブ軸のギヤ比を設定する。
6.PRモードでの動作設定をする。
設定手順
下記のような簡単な動作で電子カムを動作させてみましょう。
マスター軸:CN5に接続した、エンコーダからの信号をマスター軸とする。
クラッチ噛み合いタイミング:DI入力でコントロール。
ギヤ比:1:1 マスター軸1回転で、スレーブ軸を1回転させる。
電子カム曲線:直線。(マスター軸と同じ動作をする)
マスター軸:CN5に接続した、エンコーダからの信号をマスター軸とする。
クラッチ噛み合いタイミング:DI入力でコントロール。
ギヤ比:1:1 マスター軸1回転で、スレーブ軸を1回転させる。
電子カム曲線:直線。(マスター軸と同じ動作をする)
動作モード設定
電子カムは「PRモード」で対応します。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P1.001 を 0x0001 にします。
(スレーブ軸を逆転方向に回したい場合は 0x0101 にします)
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※設定は、サーボドライバの電源再投入で有効になります。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P1.001 を 0x0001 にします。
(スレーブ軸を逆転方向に回したい場合は 0x0101 にします)
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※設定は、サーボドライバの電源再投入で有効になります。
クラッチ噛合タイミング
DI6 が ON したら、クラッチ噛み合いとしてみます。
KSD-Soft の「デジタル入出力/ジョグ制御」画面で、DI6 を 0x36:電子カム噛合制御(A接点)に割り当てます。
KSD-Soft の「デジタル入出力/ジョグ制御」画面で、DI6 を 0x36:電子カム噛合制御(A接点)に割り当てます。
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マスター軸ギヤ比
今回の事例では、マスター軸に 100P/R のエンコーダが接続されていると仮定します。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P5.083 を 1 に、P5.084 を 400 に設定します。
(100P/R の場合、その4倍の数値を P5.084 に設定します)
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(マスター軸2回転で、スレーブ軸を1回転させたい場合は P5.084 を倍の 800 に設定します)
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P5.083 を 1 に、P5.084 を 400 に設定します。
(100P/R の場合、その4倍の数値を P5.084 に設定します)
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(マスター軸2回転で、スレーブ軸を1回転させたい場合は P5.084 を倍の 800 に設定します)
スレーブ軸ギヤ比
今回の事例では、分母:100000、分子:16777216 とします。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P1.044 を 16777216 に、P1.045 を 100000 に設定します。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P1.044 を 16777216 に、P1.045 を 100000 に設定します。
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電子カム曲線
今回の事例では、スレーブ軸1回転を5分割して指定します。
ポイント指定は、アドレスの 100 番地から5ヶ使用する設定にします。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P5.081 を 100 に、P5.082 を 5 に設定します。
ポイント指定は、アドレスの 100 番地から5ヶ使用する設定にします。
KSD-Soft の「パラメータエディタ」画面で、P5.081 を 100 に、P5.082 を 5 に設定します。
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電子カム曲線の作成
KSD-Soft の「高速位置記録/比較」画面の「データ配列エディタ」を使用して直接入力します。
スレーブ軸は 100000 で1回転なので、0,20000,40000,60000,80000,100000 と入力します。
(起点 0度と終点 360度は同一点ですが、どちらもデータアレイに入力する必要があります。
そうすることで機械カムを完全に一周させることができます。
そのため合計6件のデータを入力します。)
カム曲線は、以下のようになります。
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※データ配列は「サーボへ書込み」した後、サーボドライバの「EEPROM 書込」も行ってください。
スレーブ軸は 100000 で1回転なので、0,20000,40000,60000,80000,100000 と入力します。
(起点 0度と終点 360度は同一点ですが、どちらもデータアレイに入力する必要があります。
そうすることで機械カムを完全に一周させることができます。
そのため合計6件のデータを入力します。)
カム曲線は、以下のようになります。
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※データ配列は「サーボへ書込み」した後、サーボドライバの「EEPROM 書込」も行ってください。
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PRモードで動かすための設定
PRモードで動かすため、位置決め関連の信号を割り当てます。
KSD-Soft の「デジタル入出力/ジョグ制御」画面で、DI2,DI7,DI8 を設定します。
DI2 0x08:位置決め内部指令実行
DI7 0x00:機能無し
DI8 0x21:非常停止 ※A接点に変更

KSD-Soft の「PRモード設定」画面で、PR #1 に電子カムの設定をします。
TYPEパス設定:「[8]:Write,指定パラメータに値を書き込む」を設定。
書込ターゲット:「0:パラメータ」を P5.088 に設定します。
データ:「書込みデータ」は 0x00001111 に設定します。
※カムの指令ソース(外部エンコーダ)、噛み合い/離脱条件などを設定。
「PRパラメータを書込み」行ってください。
KSD-Soft の「デジタル入出力/ジョグ制御」画面で、DI2,DI7,DI8 を設定します。
DI2 0x08:位置決め内部指令実行
DI7 0x00:機能無し
DI8 0x21:非常停止 ※A接点に変更
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KSD-Soft の「PRモード設定」画面で、PR #1 に電子カムの設定をします。
TYPEパス設定:「[8]:Write,指定パラメータに値を書き込む」を設定。
書込ターゲット:「0:パラメータ」を P5.088 に設定します。
データ:「書込みデータ」は 0x00001111 に設定します。
※カムの指令ソース(外部エンコーダ)、噛み合い/離脱条件などを設定。
「PRパラメータを書込み」行ってください。
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動かしてみる
サーボON する。
PR #01 を実行。
DI 入力で、電子カム噛合を ON にする。
外部エンコーダを手で回転させ、実際にスレーブ軸がどのように動くか、確認してください。
PR #01 を実行。
DI 入力で、電子カム噛合を ON にする。
外部エンコーダを手で回転させ、実際にスレーブ軸がどのように動くか、確認してください。
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